刻印

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「救援が来てくれるとは思いませんでしたな」

それも村人を攫い、人体実験などをするクリムゾンが、とその場に寝込む老人は呟く。眼には多分に恐怖が込められている。しかしその恐怖を上回る憎しみたるや、このような事情でもなければ目の前にいる自分を殺そうと飛び掛ってくるのではと思えるほどだ。

「……だろうな」

返答にバーンハルトも同意する。正直な所、全く同感だからだ。

「……それで、この病気が何なのか検討はつくのでしょうか?」

卑屈さを含んだ老人の問いに、

「黒死病、と呼ばれるものだ」

バーンハルトは平然と答える。旧時代ではペストと呼ばれ、大量の死者を生み出した事もあったそうだ。

「治療の方法は……」

「すでに、部下に治療薬を取りに向かわせた」

先程、村の状態を観察したバーンハルトが副官のアリーナに隊の半分を割かせて治療薬と予防用のワクチンを取りに向かわせたのだ。

それを聞くと村長は安堵したようにほっと一息をついた。