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「……信用していないのなら、何故あの時、俺を殺さなかったんだ、ディードは? こんな回りくどい、レジスタンスに俺をぶつける等という事をせずとも、俺を殺せばそれで済む問題だろう?」
レジスタンスはクリムゾンからの圧政解放を目的として構成された組織だ。今は『打倒、クリムゾン』を掲げている為、非道な行為は為されていない。しかし、一部の非主流派はクリムゾンとの実力差を埋める為に、生体兵器の開発を主張している。
それが動き出したのか、とバーンハルトは危惧していた。
問う様に漆黒の瞳を向けながら彼は静かに立ち上がる。
「……リスクはあるが、目的達成の為にも、お前が裏切るという可能性は低いと思っているからだろう。私の知り合い、クレスト・バーンハルトの息子というのもある。だがディード様がお前を殺さない最たる理由は……」
流れる沈黙。
レジナスはそれを彼に伝えるかどうかを悩んでいるようだ。
「……だが、それを今、お前に伝える訳にはいかない。時が来たら、教えてやろう」
レジナスの短い返答。頭を振りながらそれだけを告げる。
「……まあいい。貴方に世話になっているのは事実だからな。武道から兵法、古代から伝わる知識……ありとあらゆるものを叩き込んでもらった……この件に関しては問わないさ」
噛み締めるように呟くとマントを羽織り、ミラーシェイドをかける。硬質な靴音を響かせながら退室するバーンハルトをレジナスはじっと見つめていた。